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蕎麦打ち教室

三昧庵では、庵主による「蕎麦打ち教室」を開催しています。

初めての方でも構いません。気楽にご参加ください。

見本打ちのあと、庵主指南のもと、初回からご自身で一通りの工程を行なって頂きます。

完成した蕎麦はお持ち帰りください。庵主見本打ちの蕎麦をお召し上がりいただきます。

定員は、原則2名の少数指導。お一人ずつ、庵主が丁寧に指南します。

蕎麦打ち教室の流れ

1.蕎麦粉

完全国産の蕎麦粉を用意しています。

2.水回し

蕎麦粉を水でこねます。早く指を立てて混ぜるのがコツです。

3.捏ね

水がまんべんなく行き渡るようになったら、小さくまとめて玉にし、それを大きくしていきます。

玉をつぶしては起こしては重ね・・・を繰り返すと、だんだんと玉の表面につやが出てきます。

4.延ばし

打ち粉を少し振りかけ、玉を手で平につぶし、これを上から押しつぶして、大きな円盤にします。

のし棒に麺を巻き取り軽く前方に押しながら麺体を転がし、薄く延ばします。

5.切り

薄く延ばした麺体を、打ち粉を振りかけ折り畳みます。

蕎麦包丁でちょうど良い太さで蕎麦を切っていきます。

6.完成

完成した蕎麦は、お持ち帰りいただきます。

庵主が見本打ちした蕎麦をお召し上がりいただきます。

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参加費・持ち物

参加費

 

【初級】二八蕎麦コース:3,000円×10回=30,000円/人
【上級】十割
蕎麦コース:5,000円×10回=50,000円/人
 (生紛打ち)

​・定員は、原則2名まで。ご相談ください。

・お支払いは一括。現金にて承ります。
 分割をご希望の方はご相談ください。

持ち物

 

●エプロン(前掛け)
●タオル ●手ぬぐい(バンダナ) ●布巾
●持ち帰り用密閉容器(縦25cmほど)

 

※エプロンの貸し出しは事前にお申し出ください。

※打った蕎麦をお持ち帰りいただきます。

​※蕎麦打ち道具のご持参も可能です。

蕎麦道楽

・・・蕎麦打ち修行と人生の極意

水と蕎麦粉と人の手だけを使って仕上げる「蕎麦打ち」は、人生そのものです。

蕎麦打ち修行には、人生をよりよく生きていくためのヒントに溢れています。

 

「鉢」仕事の出来・不出来は次の延し仕事を決定づけ、さらに「延し」仕事の善し悪しが切りを経て麺体の姿に反映されます。温度・湿度など天候や、水質・蕎麦粉の品質にも作用され、一回として同じ蕎麦は打てません。

私たちの人生には、一日として同じ日はありません。「蕎麦打ち」も同じく、一期一会なのです。

 

加水を間違えて「ずる玉」になったとき、落胆する心を鼓舞して無理やりにでも麺に仕上げます。それが、蕎麦を打つ者の責任です。

責任を持つということ・・・人生も同じではないでしょうか?

何か問題が起きた時、まず目の前の状況から決して逃げないこと。そして、よくその事柄を観察し、どこでその事態が改善できるのかを見極める。模索し、試行錯誤し、創意工夫し、その時の精一杯の最善手を打つ。そして反省を次の糧へと活かしていく。

 

小麦粉と違いグルテン(粘着物質)を含有しない蕎麦粉は水の力だけで粉をつないでいます。まさに神技です。

「水回し」の極意は、水に寄ってくる粉をいかに「遠ざける」か、にあります。親水性のある蕎麦粉に水を加えると、当然蕎麦粉は寄ってきます。しかし、水を加えながらも水に寄せないようにするという、二律背反の技が「水回し」なのです。すばやく5本の指腹だけで捌いていく。鉢の中の粉をよく動かして滞留を許さない。

水と蕎麦のもつ特性、「道理」を理解してこそ、良い蕎麦打ちができます。同じように、人生のあらゆる仕事も、「現地、現物、現場」の「道理」に応じた問題解決が必要です。ものの道理を無視した仕事は、悪い結果しか得られません。

 

日本の精進料理には、「五味」(甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい、苦い)+「旨味」のほかに、「淡味(たんみ)」という表現があります。「淡い味」ということではなく、「素材そのものの味」を最大限引き出す味付けを意味しています。

蕎麦のパートナー「つゆ」について──。「淡味」のあるつゆは、蕎麦の香りを引き出します。自らを主張せず、相手を生かすのです。しかし、蕎麦湯で伸ばして飲んだ時には、しっかりとした旨味と味わいが残っています。絶妙のバランス。

名脇役であると同時に主役でもあるいう──「淡味」は、人生においても、より良い人間関係を築いていくための極意ではないでしょうか。

 

「微差は大差」──ほんのちょっとした違いが、全く異なる結果を生み出すことがあります。たとえ一杯の水でも、差し上げる人の気持ちひとつで薬にもなれば毒にもなります。気持ちをこめて作れば、「水と蕎麦だけ」という、世界一シンプルな食べ物が、世界一おいしい食べ物になります。

 

禅宗寺院においては、修行僧の食事や、仏や祖師への供膳を司る役職のことを、「典座(てんぞ)職」と言うそうです。一般に炊事係は「飯炊き」などと低く見られがちですが、禅宗では重要な役職とされ、尊重されているとのこと。曹洞宗の開祖道元の『典座教訓』に、彼が宋で修行したとき出会った2人の老典座とよって、禅修行の本質に気づかされたと書かれているそうです。

私も、同じ気持ちで蕎麦打ち修行の道を歩みたいと思っています。

 

三昧庵主 景山勝巳

 

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